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睡眠の光環境の整え方|朝・日中・寝る前・寝ている間の明るさの目安と、家でできる工夫

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「寝る前は照明を暗くしたほうがいい」「朝は日光を浴びるといい」と聞いたことはあっても、何時から、どのくらい暗くすればいいのかまではわかりにくいものです。

先に結論をお伝えすると、睡眠のための光の整え方は、1日の流れで考えるのがポイントです。

  • 朝と日中は、できるだけ明るい光を浴びる
  • 寝る2〜3時間前から、照明を暗く、暖かい色にしていく
  • 寝るときは照明を消して、できるだけ暗くする
  • 夜中に起きるときは、足元だけを照らす

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、良い睡眠のための光環境では「明るさ(照度)」「波長(ブルーライト)」「時間帯」に気を配ることが大切だと説明されています。

この記事では、5つの場面ごとに、睡眠ガイドや研究でわかっていることと、家でできる工夫を紹介します。「電球色の照明なら、照度計で何ルクスくらいまでが目安か」といった数字の置き換え方もまとめました。ここで紹介するのは一般的な情報で、眠れない状態が続くときの診断や治療の代わりにはなりません。

目次

睡眠の光環境は1日の流れで考える:5つの場面

光は、目を通して体内時計(およそ24時間の体のリズム)に「今は昼か夜か」を伝えています。睡眠ガイドでは、朝に光を浴びると体内時計が整い、夜に強い光を浴びると眠りを促すホルモン(メラトニン)の分泌が抑えられて、寝つきが遅れることがあると説明されています。

そこで、1日を次の5つの場面に分けて考えてみましょう。図1は、23時に寝て7時に起きる人の例です。

1日の光の流れ(23時に寝て7時に起きる例)。朝はカーテンを開けて光を入れる。日中は窓際や屋外で明るい光を浴びる。夕方から寝る前は20時ごろから照明を暗く暖かい色にし、21時からは特に控えめにする。寝ている間は23時に照明を消してできるだけ暗くする。夜中に起きたときは足元だけを低い位置から照らす1日の光の流れ(23時就寝・7時起床の例)朝(7時に起きたら)カーテンを開けて、朝の光を入れる日中窓際や屋外で、明るい光を浴びる夕方〜寝る前(20時ごろ〜)照明を暗く、暖かい色にしていく21時からは特に控えめに寝ている間(23時〜)照明を消して、できるだけ暗く夜中に起きたとき足元だけを、低い位置から照らす左の色は、その時間帯の明るさのイメージです
図1 1日の光の流れ(23時に寝て7時に起きる人の例。時刻は自分の就寝・起床時刻に合わせて読み替えてください)

それぞれの場面で、睡眠ガイドに書かれていることと、家でできることを表にまとめました。

場面 睡眠ガイドに書かれていること 家でできること 詳しい記事
朝 起床後に朝日の強い光を浴びると体内時計がリセットされる。目覚めたら部屋に朝日を取り入れる 起きたらカーテンを開ける。冬の暗い朝は照明で補う 東向きの寝室の朝日対策、光目覚ましの選び方
日中 1,000ルクス以上の光を日中に浴びると、夜のメラトニンが増え、寝つきやすくなる 窓際で過ごす、外に出る時間をつくる –
夕方〜寝る前 就寝の約2時間前からメラトニンが出始める。そのあとの照明やスマホの強い光は寝つきを遅らせる 照明を暗く、暖かい色に。スマホの画面も暗めに この記事の「寝る前の照明」の章
寝ている間 弱い光でも夜中に目が覚める時間が増えるという報告がある。寝室はできるだけ暗く、スマホは持ち込まない 照明を消し、窓からの光や家電の表示灯を減らす カーテンの光漏れ対策、寝室の明るさの測り方
夜中に起きたとき 高齢の方は転ばないよう、間接照明や足元灯で目に入る光を減らす 足元灯など、低い位置の弱い明かりを使う –

睡眠ガイドには、夕方や寝室の照明について「何ルクス以下」という数値の基準はありません(照度の数値が出てくるのは、日中の1,000ルクスだけです)。数字の目安については、あとの章で国際的な専門家の推奨を紹介します。

参考

朝:起きたらカーテンを開けて光を入れる

1日の光の整え方は、朝から始まります。睡眠ガイドによると、起きてすぐに朝日の強い光を浴びると、体内時計がリセットされて睡眠と目覚めのリズムが整い、頭もすっきりしてくるそうです。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、起きたらまずカーテンを開けて、自然の光を部屋に取り込むことがすすめられています。

まずは、起きたらすぐにカーテンを開ける習慣から始めてみてください。そのときにまぶしすぎるなら、レースのカーテンは閉めたまま、厚手のカーテンだけを開けてもかまいません。

ただし、次のような場合は少し工夫が必要です。

  • 冬の朝や北向きの部屋で、起きる時刻にまだ暗い:照明をつけて明るくするか、起きる前にだんだん明るくなる光目覚ましを使う方法があります。詳しくは光目覚ましの選び方で紹介しています
  • 東向きの部屋で、起きたい時刻より前に朝日で目が覚める:寝ている間は遮り、起きる時刻になったら光を入れる組み合わせが向いています。東向きの寝室の朝日対策を参考にしてください
  • 夕方から眠くなるのが早くて困っている高齢の方:睡眠ガイドでは、早朝に日光を浴びると、さらに朝型が強まるおそれがあると注意されています

参考

日中:できるだけ明るいところで過ごす

意外と見落としがちなのが、日中の光です。睡眠ガイドによると、日中に光をたくさん浴びると、夜に分泌されるメラトニンの量が増え、寝つきやすくなるそうです。その効果は、1,000ルクス以上の光を日中に浴びることで得られるとされています。

さらに睡眠ガイドでは、日中にしっかり光を浴びておくと、夜の照明の光が体内時計に与える影響が小さくなる、という報告も紹介されています。夜の照明だけを気にするのではなく、昼と夜の明るさにメリハリをつけることが大切なのですね。

ここで気をつけたいのは、ふつうの室内の照明だけでは、目に届く光が思ったより少ないことです。あとで紹介する国際的な専門家の推奨をまとめた論文でも、机の上が500ルクスほどのふつうの照明では、目の高さに届く光は、日中の目安に届かないことが多いと説明されています。この論文は、日中の光はできれば昼の光(日光)でとることをすすめています。

なお、あとの章で紹介する専門家の推奨の数字は、睡眠ガイドの1,000ルクスとは測り方も単位も違うため、そのまま比べることはできません。ただ、どちらも「日中は室内の照明だけに頼らず、窓からの光や屋外の光を取り入れる」という同じ方向を示しています。

家でできる工夫としては、次のようなものがあります。

  • 在宅で仕事や家事をするときは、窓の近くで過ごす
  • 昼休みや買い物など、外に出る時間をつくる
  • 朝食や休憩は、日の当たる場所でとる

参考

寝る前の照明:何時間前から、どう暗くする?

夜の光で特に気をつけたいのが、寝る前の数時間です。

寝る何時間前から?

睡眠ガイドによると、メラトニンは寝る約2時間前から分泌され始めます。そのあとに照明やスマホの強い光を浴びると、メラトニンの分泌が抑えられ、睡眠のリズムが遅れて寝つきにくくなることが報告されています。

一方、2019年に睡眠や体内時計の研究者が集まった国際的なワークショップでまとめられ、2022年に論文として公開された推奨では、寝る「少なくとも3時間前」から部屋の光を控えめにすることがすすめられています。

2つを合わせると、「寝る3時間前から少しずつ照明を落とし始め、2時間前には寝る前の明かりにしておく」と考えるとわかりやすいでしょう。たとえば23時に寝る人なら、次のような流れになります。

時刻 すること
20時ごろ(寝る3時間前) リビングの照明を一段暗くする。色を変えられる照明なら電球色に(電球色なら、目の高さで約30ルクスまでが目安。あとの章で説明します)
21時ごろ(寝る2時間前) 天井の照明を消して、スタンドや間接照明などの低い位置の明かりに切り替える
22時ごろ スマホやタブレットは画面を暗くし、寝室には持ち込まない
23時(寝る時刻) 照明を消す

もちろん、毎日この通りにできなくても大丈夫です。まずは「寝る前の2時間は、天井の明るい照明を消して過ごす」ことから試してみてください。

ふつうの部屋の明るさでも、体は反応している

「少し明るいくらいなら大丈夫では?」と思うかもしれません。ところが研究では、ふつうの室内の明るさでも、体内時計は敏感に反応することがわかっています。

2019年に発表された研究では、18〜30歳の55人に、夜に5時間、さまざまな明るさの光を浴びてもらいました。その結果、平均すると約25ルクスという、かなり控えめな明るさでも、メラトニンの量が半分ほどに抑えられていました。10・30・50ルクスの光では、メラトニンが出始める時刻が、それぞれ約20分・約1時間20分・約1時間50分遅れたように見えたそうです。

この研究で印象的なのは、人による違いの大きさです。メラトニンが半分に抑えられる明るさは、最も敏感な人では6ルクス、最も反応しにくい人では350ルクスと、50倍以上の差がありました。同じ明るさの部屋で過ごしていても、影響の受けやすさは人それぞれということです。

別の研究では、18〜30歳の健康な116人が実験施設に泊まり、寝る前の8時間をふつうの室内の明かり(目の高さで60〜130ルクスほど)で過ごした日と、とても暗い明かりで過ごした日を比べました。室内の明かりで過ごした日は、メラトニンが出始めるのが寝る直前までずれこみ、夜にメラトニンが出ている時間も約90分短くなっていました。

どちらも若い人を対象にした実験室での研究で、長い時間、決まった明るさの光を浴び続けた結果です。家での暮らしにそのまま当てはまるわけではありませんが、「寝る前は、ふつうの部屋の明るさでも明るすぎることがある」と知っておくと、照明を見直すきっかけになります。

電球色に変えれば大丈夫?

寝る前の照明は、オレンジっぽい電球色がよいと聞いたことがある人も多いでしょう。白っぽい光ほど、体内時計に強く働く青い光(ブルーライト)を多く含むためです。

ただし、睡眠ガイドでは、今のLED照明は青色の発光ダイオードを使っているため、暖色系に切り替えても青い光が多く含まれる、と説明されています。そのうえで、夜に使うときは明るすぎないように調節し、寝るときは照明を消すようすすめています。

つまり、色を変えるだけで安心せず、明るすぎないかもあわせて見直すことが大切です。どのくらいなら明るすぎないかは、次の章で数字の目安を紹介します。家でできる工夫をまとめると、次のようになります。

  • 色を変えられる照明なら電球色にして、明るさも一段か二段落とす
  • 天井の照明を消して、スタンドや間接照明など、低い位置の明かりに切り替える(光が直接目に入りにくくなります)
  • 洗面所やトイレなど、寝る直前に使う場所の明かりも、明るすぎないか見直す
  • スマホやタブレットは画面の明るさを落とし、寝室には持ち込まない

スマホについては、睡眠ガイドで、パソコンよりも顔に近づけて画面を見るため、目に入る光の量が多いと考えられると説明されています。寝転がって使うと画面との距離がさらに近くなるので、寝る前の使い方は特に気をつけたいところです。

参考

何ルクスが目安?照明の色ごとに照度計の数字へ置き換える

ここからは、数字で確かめたい人に向けて、明るさの目安を紹介します。

専門家の推奨は「日中250・夕方10・夜1」

先ほど紹介した国際的な専門家の推奨では、健康な大人に向けて、次のような目安が示されています。

  • 日中:目の高さで250以上
  • 夕方(寝る3時間前から):目の高さで10以下
  • 寝ている間:できるだけ暗く、目の位置で1以下(夜中に見る必要があるときは10以下)

ただし、この数字の単位は、ふつうの照度計に表示される「ルクス」とは少し違います。目の奥には、ものを見るための細胞とは別に、体内時計に光を伝える細胞があります。この推奨は、その細胞が光をどれくらい感じるかに合わせた明るさ(メラノピック等価昼光照度)で書かれています。

同じルクスでも、青い光を多く含む白っぽい照明ほど、この細胞には強く届きます。そのため、ふつうの照度計で確かめるときは、照明の色によって目安のルクスが変わります。

照明の色ごとに、照度計で何ルクスくらい?

論文には、照明の種類ごとに、ふつうのルクスからこの単位に換算するための係数が載っています。その係数を使って、照度計で測ったときの目安を計算すると、次のようになります。

照明の色(色温度) 夕方〜寝る前(これ以下が目安) 寝ている間(これ以下が目安) 日中(これ以上が目安)
電球色(2,700〜3,000K。論文の値は家庭用のLED) 約30ルクス 約3ルクス 約700ルクス
温白色くらい(3,000〜4,000K。論文の値は蛍光灯) 約17ルクス 約1.7ルクス 約420ルクス
昼光色(6,500K。論文の値はLED) 約12ルクス 約1.2ルクス 約300ルクス

※色温度(K:ケルビン)は光の色を表す数字で、小さいほどオレンジっぽく、大きいほど青白い光になります。表は論文の係数をもとにした計算上のおおよその目安です。上の2行は係数が「これ未満」という形で示されているため、夕方と寝ている間の欄は、製品によってはこれより多めのルクスでも目安に収まることがあります。反対に日中の欄は、これより明るくしないと届かないことがあります。

昼白色(5,000Kくらい)の値は、論文には載っていません。昼白色の照明や昼光色の蛍光灯、自分の家の照明の色がわからないときは、昼の光と同じとみなして、夕方は10ルクス、寝ている間は1ルクスを目安にすると安心です。なお、色を混ぜて光らせるLEDの中には係数が1を超えるものもあり、その場合の目安はさらに低くなります。

たとえば電球色なら、寝る前は目の高さで約30ルクスまでが目安です。論文によると、家の夜の明るさは目の高さで約30ルクスほどと報告されることが多く、部屋がそのくらいの明るさなら、電球色のLEDに替えるだけで目安に収まることも多いそうです。実際に家庭で夜の光を測った研究でも、半分近くの場面ですでに目安以下だった一方、目安を超えていた場面の多くは、青い光を多く含む照明によるものでした。

ただし、天井の照明を明るくつけた部屋やキッチンは、これより明るいことが多いものです。照度計で目の高さが約30ルクスを超えるようなら、電球色でも一段か二段落としてみてください。暖色に切り替えても明るすぎないように調節する、という睡眠ガイドの説明とも合っています。

一方で、白っぽい照明のまま天井の明かりをつけて過ごしていると、目安を大きく超えやすくなります。また、先ほどの研究のように約25ルクスでもメラトニンが抑えられることがあり、その反応の大きさも人によって大きく違います。目安に収まっていても、寝つきが気になるなら、もう少し暗くしてみる価値はあります。

なお、寝ている間の目安は、豆電球などの照明をつけたまま寝てよい明るさ、という意味ではありません。睡眠ガイドでは、寝るときは照明を消すことがすすめられています。この欄は、カーテンのすき間から入る街灯の光などを確かめるときの目安として使ってください。

測るときの注意

この目安を照度計で確かめるときは、測り方に注意が必要です。

  • 夕方と日中の目安は、座ったときの目の高さ(床から約1.2m)で、受光部を顔と同じ向きにして測る値です。机の上に受光部を上向きに置いて測る、ふつうの照度の測り方とは違います
  • 寝ている間は、枕の上で測ります。測り方の手順は寝室の明るさの測り方で紹介しています
  • スマホの照度計アプリは、暗い値ではずれやすいので、変化をおおまかに比べる目安にとどめましょう

そして何より、これらの数字は「ここを超えたら眠れない」という線ではありません。先ほどの研究のように、光への反応は人によって大きく違います。論文でも、対象は日中に活動する18〜55歳の健康な大人で、夕方の光への反応には10倍を超える個人差があるとされています。数字は「自分の家の照明が、目安と比べてかなり明るいのか、近いのか」を知るための手がかりとして使ってください。

参考

寝ている間:照明を消して、できるだけ暗くする

寝ている間について、睡眠ガイドでは、弱い光でも夜中に目が覚めている時間が増え、眠りの効率が下がるという報告があることから、寝室はできるだけ暗くして寝ることがすすめられています。

実際に、健康な若い男性23人に、真っ暗な部屋と、5ルクスまたは10ルクスの薄暗い明かりをつけた部屋で一晩ずつ眠ってもらった韓国の実験では、明かりをつけた夜のほうが、夜中に目が覚めている時間や浅い眠りが増えていました。ただし、少人数で一晩きりの結果です。奈良県の高齢の方の寝室を測った研究では、夜の寝室の明るさの中央値は0.8ルクスで、多くの寝室はかなり暗い一方、数ルクスある寝室も珍しくありませんでした。研究の数字の読み方は、寝室の明るさの測り方で詳しく紹介しています。

照明を消しても寝室が明るいときは、光がどこから来ているかによって対策が変わります。

気になる光 まず試したいこと 詳しい記事
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部屋を暗くしきれない、旅行先など 目元で光を遮る アイマスクの選び方

家電の電源ランプや充電器の小さな明かりも、暗い寝室では意外と目立ちます。寝る位置から見える明かりは、向きを変えたり、布やシールでおおったりするとよいでしょう。

真っ暗だと不安で、常夜灯や豆電球をつけて寝ている人もいると思います。その場合は、天井の常夜灯を、低い位置で足元を照らす明かりに替えてみるのもひとつの方法です。替えたあとに枕の上での明るさを測り直す方法は、寝室の明るさの測り方の「常夜灯を消すのが不安なときは」で紹介しています。

参考

夜中に起きたとき:足元だけを低い位置から照らす

夜中にトイレなどで起きるとき、真っ暗なままだと転ぶ心配があります。睡眠ガイドでは、特に高齢の方は、転ばないように間接照明や足元灯などを使い、目に入る光の量を減らす工夫が大切だと紹介されています。

国際的な専門家の推奨でも、高齢の方は夜に寝室とトイレの間を安全に移動するため、目安より明るい照明が必要になる場合があり、そのときは見えやすさと安全を優先するよう書かれています。暗さにこだわりすぎて、足元が見えなくなっては本末転倒です。

家でできる工夫としては、次のようなものがあります。

  • 天井の照明ではなく、足元灯など低い位置の明かりを使う
  • 寝室からトイレまでの通り道を、足元から照らす
  • 人が近づくと点く明かりなら、つけっぱなしにせずにすむ

参考

目安どおりでなくてよい人、相談したほうがよい場合

ここまで紹介した目安は、昼に活動して夜に眠る、健康な大人を前提にしたものです。次のような場合は、そのまま当てはめないようにしましょう。

  • 子ども:睡眠ガイドによると、10歳代の目の水晶体(レンズ)は、70歳代と比べて5倍近く光を通しやすく、光の影響は若い人ほど大きいと考えられています。子どもの寝室で明かりをつける場合も、明るさを落とすようにすすめられています
  • 高齢の方:日中はできるだけ長く太陽の光を浴びることがすすめられる一方、夕方から早く眠くなって困っている人は、早朝の光に注意が必要です。夜中の移動は安全を優先しましょう
  • 夜勤や交替制勤務の人:睡眠ガイドには、ガイドのすすめる対策が参考にならない場合があると書かれています。専門家の推奨も、交替制勤務向けではありません
  • 目の病気などで、医師から強い光を避けるよう言われている人:医師の指示を優先してください。睡眠ガイドでは、日光を十分浴びられない場合、日中の室内での運動や、食事の時刻をそろえることも、睡眠のリズムを整える助けになると紹介されています

また、光の環境を整えても、寝つけない、夜中や早朝に目が覚めるといった状態が続き、日中の調子にも影響しているときは、ひとりで抱え込まずに医療機関に相談してください。e-ヘルスネットでも、家庭での工夫で改善しなければ専門の医師に相談し、気分の落ち込みなどがあれば早めに受診するよう案内されています。極端に早寝早起き、または遅寝遅起きになってしまい、自分では戻せないときも、睡眠ガイドでは医師への相談がすすめられています。

情報の扱いについては、免責事項もあわせてご覧ください。

参考

まとめ:まずは「寝る前の照明」と「朝のカーテン」から

睡眠のための光の整え方をまとめます。

  1. 朝は、起きたらカーテンを開けて光を入れる。冬の暗い朝や東向きの部屋は工夫する
  2. 日中は、窓際や屋外など、できるだけ明るいところで過ごす
  3. 寝る3時間前から照明を落とし始め、2時間前には低い位置の暗めの明かりに。電球色でも明るすぎないようにする
  4. 寝るときは照明を消して、できるだけ暗くする。窓や家電からの光は、光の出どころに合わせて対策する
  5. 夜中に起きるときは、足元だけを照らし、安全を優先する

数字の目安は、人による違いが大きいので、「線」ではなく「手がかり」として使ってください。

いきなり全部を変えなくても大丈夫です。まずは今夜、寝る2時間前に天井の照明を消してみること、そして明日の朝、起きたらすぐにカーテンを開けることから始めてみてください。

この記事を書いた人

寝室の光・音・温度・湿度といった環境条件について、どこを確認すれば原因を切り分けられるか、どの対策から試すのが現実的かを調べてまとめています。睡眠に関する一般的な知見と、個々の製品の効果は別のものとして扱い、公的機関や学術資料、メーカーの公式仕様を確認したうえで記事を作成しています。実際に使っていない製品をレビューとして書くことはしません。

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