睡眠不足が続くと、頭痛を感じる人は非常に多くいます。実は頭痛は「脳そのものが痛い」のではなく、脳の周りの血管や神経が刺激を受けることで起こります。睡眠不足になると、この仕組みが複数のルートから悪影響を受けるのです。まず、睡眠が足りないと自律神経のバランスが崩れ、血管の収縮や拡張がスムーズに行われなくなります。血管が拡張しすぎると、脳の血管の周囲を走る神経が刺激され、ズキズキとした偏頭痛を引き起こします。逆に、首や肩の筋肉が緊張したままほぐれずに血流が滞ると、頭全体を締め付けられるような緊張型頭痛が起こります。
頭痛は「ただの痛み」と思われがちですが、その影響は非常に深刻です。例えば朝から頭痛があると仕事や勉強に集中できず、ミスが増えたり効率が落ちたりします。また、痛みが長引けば気分も落ち込み、イライラや不安感も増幅します。偏頭痛の人は光や音に敏感になるため、日常生活そのものが強く制限されることもあります。
さらに厄介なのは、頭痛が「悪循環」を作る点です。睡眠不足で頭痛が起こり、その頭痛がつらくて眠れない、という状況に陥ることも珍しくありません。頭痛薬に頼りすぎると薬物乱用頭痛のリスクもあるため、根本的に睡眠不足を改善しない限り、症状は繰り返されます。
このように頭痛は、痛みそのもののつらさに加えて、生活の質を下げ、仕事・学業・人間関係にまで悪影響を及ぼす「強いペイン」です。だからこそ多くの人が「何とかしたい」と強く願う症状の一つなのです。