これは20代後半・男性・Tさんの話。
都内のスタートアップでエンジニアをしているTさんは、プロダクトのリリース前になると連日深夜のデプロイが続き、夕方からエナジードリンク、夜は強いコーヒーで乗り切っていた。布団に入ってもコードの差分が頭をよぎり、目を閉じても眠りが浅い。朝の鏡には、こめかみの地肌が以前より白く見える自分がいた。「若さで押し切れる」と思っていたが、抜け毛と集中力の落ち込みが同時に訪れ、焦りを覚えた。
きっかけは小さなミスだ。レビューで見落としたバグが本番に出て、チームに迷惑をかけた。自責の念で眠れない夜、Tさんは「ハードワーク自体ではなく、眠らないことが自分の最大のリスクだ」と気づく。そこから、生活の“土台”を組み替えることにした。
最初に決めたのは、就寝・起床の固定だ。0:00就寝・7:30起床を基本に、夜の作業が長引いても起床は固定。午後のカフェインは16時で打ち切り、以降は白湯かカモミールティー。PCは23時でシャットダウンし、タスクは翌朝に残す。焦りが湧いたら、メモに書き出して頭の外に出す“ブレインダンプ”を10分だけ行う。
環境も変えた。ディスプレイは夜間に自動的に色温度を下げ、寝室は遮光カーテン+常夜灯の最小光量。就寝1時間前のバスタイムは38〜39℃で10分。寝具は中反発マットレスに替え、枕は肩幅に合わせてミリ単位で高さ調整。スマホは玄関で充電し、寝室に持ち込まないルールにした。
頭皮ケアは“守る”に舵を切る。洗浄力の強いアイテムを休止し、ぬるめの湯で予洗い→指の腹だけで1分の短時間洗い。タオルドライは押さえるだけにし、ドライヤーは15cm以上離して温風→冷風で仕上げる。スタイリング剤は帰宅後すぐにオフ。寝る前に頭皮マッサージをする代わりに、肩と首を解すストレッチに置き換えた。
食事は“高タンパク+シンプル”へ。朝はオートミールと卵、昼は鶏むねと玄米、夜は魚と温野菜。間食は素焼きナッツに置き換え、週末以外のアルコールはやめた。朝はベランダで5分だけ太陽光を浴び、体内時計をリセットする。
2週間で夜中の覚醒が減り、1か月で午前の集中が続くようになった。写真を見返すと生え際の“影”が和らぎ、排水口の抜け毛が目に見えて少ない。チームレビューでも言葉の輪郭が戻り、作業の見積もり誤差が減った。半年後、Tさんは「睡眠を優先したら、髪も自信も自然に戻ってきた」と振り返る。
- 就寝0:00・起床7:30を固定 — 夜更かししても起床は動かさない。
- 23:00スクリーンオフ — 画面は切り上げ、タスクは翌朝へ“棚上げ”。
- 午後のカフェインは16時まで — 以降は白湯/ハーブティー。
- 就寝1時間前に38〜39℃で入浴 — 深部体温の自然下降を促す。
- スマホは寝室に持ち込まない — 充電は玄関など別室で。
- 寝具フィット調整 — 中反発マットレス+枕高は肩幅基準。
- “守るヘアケア”へ切替 — やさしく短時間洗い、温風→冷風でドライ。
- 朝の太陽光5分 — 体内時計のリセットを習慣化。
※個人の特定を防ぐため、一部脚色しておりますこと、ご了承ください。