免疫力の低下(体調を崩しやすい)

睡眠不足は「風邪をひきやすくなる」「体調を崩しやすい」といった形で多くの人が実感する症状を引き起こします。これは単なる気のせいではなく、科学的にも裏付けがあります。免疫力とは、体に侵入してくるウイルスや細菌を排除し、病気を防ぐ体の防御システムのことです。この免疫システムは睡眠中に活発に働いており、十分な休養をとることで強化されます。しかし睡眠不足が続くと、その働きが著しく低下してしまうのです。

具体的には、睡眠不足になると免疫細胞の一種である「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」の数と活性が減少します。NK細胞は、体内に侵入したウイルスを早期に攻撃する第一防衛ラインの役割を果たしています。その力が落ちることで、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。また、睡眠不足は抗体の産生も妨げるため、ワクチン接種をしても十分に効果を発揮できない可能性があると指摘されています。

さらに、睡眠不足によってストレスホルモンであるコルチゾールが増加すると、炎症を抑える働きが乱れ、体の修復機能が低下します。その結果、疲労や小さな傷の回復が遅れたり、慢性的な炎症が続いたりすることもあります。これが長期的には生活習慣病や自己免疫疾患のリスクを高める要因になるとも考えられています。

免疫力の低下は、本人が「つらい」と強く感じやすい症状の一つです。体調を崩すと仕事や学業を休まざるを得ず、社会生活に直接的な影響を及ぼします。加えて「また風邪をひいた」「すぐ体調を崩す」といった自己評価の低下につながり、精神的な落ち込みや焦りを引き起こすことも多いのです。特に現代社会では感染症への不安が大きいため、免疫力の低下は一層深刻に受け止められやすいペインとなります。

つまり、免疫力の低下は単なる「風邪をひきやすくなる」問題にとどまらず、生活全般・社会的信用・精神的安心感にまで影響を及ぼす強いペインです。だからこそ「睡眠を改善して免疫力を高めたい」と考える人は多くいらっしゃいます。

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